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逸失利益の算出法


将来発生するはずだったのに失われてしまった利益のことを、「逸失利益」と言います。交通事故で被害者が死亡してしまった場合、死亡していなければ得られていたはずの逸失利益についても、加害者が賠償することになります。

この逸失利益を計算する方法には、主に「ホフマン式」と「ライプニッツ式」の二つの方法があります。少々難解になりますが、1年ごとの逸失利益を算出するそれぞれの計算式は、以下の通りです。

ホフマン式計算法
x=a/(1+nr)

ライプニッツ式計算法
x=a/(1+n)のn乗

※x=その年の逸失利益、a=被保険者の年収、n=計算される年までの年数、r=利率

この計算式で、死亡、または高度障害を負った被保険者が勤続すると予想されていた年数分の逸失利益を、1年ごとに計算して行き、それをすべて足すことで、支払対象年数分の賠償金額を算出します。例えば、死亡した被保険者が20年勤続していた場合の逸失利益を計算する場合、式のnの値に1〜20を当てはめた20の計算式の結果を合計することになります。

ただ、この計算方法は複雑で煩雑なため、年数ごとに指標となる係数が定めてられており、年間の利益額にこの係数を掛けることで、逸失利益を算出するのが一般的です。

この二つの計算方法は計算式が違うため、同じ事故でも逸失利益の金額に差が出ます。基本的に、ホフマン式の方が、ライプニッツ式よりも逸失利益額が高くなります。

その原因は、利率です。どちらの計算式も、利率が高いほど算出される逸失利益は低くなります。特にライプニッツ式は、元の金額に利子が加わった金額に対して、さらに利子が発生する複利を考慮に入れています。計算方法としては妥当なのですが、法律上規定されている利率が現在の経済状況とかけ離れた5%という数字になっているので、この利率がホフマン式よりも色濃く反映されるライプニッツ方式では、導き出される逸失利益額が低くなります。

地域や裁判所による差はあるものの、近年の裁判では、ライプニッツ式による計算方法で逸失利益を計算する判例が増えています。しかし、ホフマン式とライプニッツ式のどちらを採用するのが法律上正しいのか、その判断は明確にされていません。被害者救済の理念からホフマン式を支持する、あるいはライプニッツ方式の採用は違法だと唱える専門家もおり、今なお逸失利益の計算方法には様々な論議がなされている状態です。

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